霞猫

きれゞの青空
伸びる雲梯の影は 
斑に
零れる命を 
そっとなぞるように伸びる

届かない場所の地図に想いを馳せるように
干からびた川底に
靴を探すように
誰にも行き先を告げずに
失踪してみたい

藁を積み上げた上に火を点ける
狂ったように舞い上がる火の粉

夜の雲は腹を炙られて
盛大に戻す
溺れる僕らは塵と撹拌されて