霞猫

内容の無いくだん

舌が滑って止まらない
大体同じ人が
相槌を打っている

唐変木 空回る
一瞬の隙を突いて
逃げ出した

日陰を避けていく
君の美しい嘘
誰かが呼びとめきっと
攫っていくのだろう

問い詰められて
口を割るような程度の
本心なんて別に
知りたくは無いよ

簡単な事程
誰も知らないって事さ
右向け左

ある日の終わりに
ふと悲しくなってしまい
自分の手を見る
何も無い僕は途方にくれて
また新しい鍵を探す

思い出がかさぶたのように
傷口を覆い隠す
君の顔も思い出せないのに
自分が嫌いになっていく
そつなくこなすほどに
通り過ぎた未来がどんなに綺麗に見えても
現実を色付けられないなら要らない