霞猫

昇る陽 やるせないだけ

至近距離は盲目 バカボンのお巡りなら無言で撃つ場面
世界は寛容さで最後のバランスを保っている

卵の黄身の湖 篭の中で電球を見上げる
お腹が空いたと君が言う 私はパン粉を体に纏い
もうちょっと待ってねと

頭の良い人たちが作ったデッドラインで
右往左往するのはいつも弱者で
声を上げても届かないのに
もっと出せとでかい声出せと
いかれてるね

昇る陽
やるせないだけ
死なないだけで
何一つ通り過ぎていく
言葉にならないものを
必死で言葉で掬おうとしている
馬鹿だね馬鹿なんだね馬鹿だからわからないんだね
愛なんか無い
愛は死んだぜ
愛はとっくに死んだんだぜ

覚えているかい
忘れてしまったことを
酷い人間も高い飯を食い柔らかいベッドで眠っているということを
嘘も真実も同じものの側面でしかないということを
現実から目を背けても延命にはならないということを

何もかも消滅しろ
誰も居なくなれ
何も必要ない何も愛していない
憎しみが溢れ出して町を満たしても
涼しい顔して生きている神経がいかれた奴がいつもイイトコロを持っていく