霞猫

何にも合わない鍵

明日の形に浮かんだ影法師
宇宙で瞬く消えていく何もかも
囁く徒に身体をすり抜けて
愛する貴方の名前を忘れていく

愛おしい停滞は
泣きそうな雨雲
小さな傘差して
貴方を探している

軌道を離れる寂しい惑星
息継ぎ忘れて青ざめた顔して
正義の刃でこの胸を刺して
命の重さで釣り合う天秤

裏返った背中は
温もりを欲しがる
化け物の振りして
広げたシーツみたい

水溜りの中で
絵具みたいに広がる
青空が揺れる
優しい風通り過ぎ