霞猫

詐欺師の墓

2025-05-14

集めた石の
かちゃりかちゃりと
袋の中で
足は白い骨のように
青は薄いグレー
空を這う巨大な化け物のあばら

太陽は無力に溶けて
ボタボタと落ちる

干上がった私の
張り付く皮
巡る血の色滲み

軽く目眩のする微睡み
不規則に針を回す時計
混乱した私は頬の内を噛む

大きな腹のような地面
剣のように刺さる影
分裂したアメーバと宇宙の形を想う

金色のレンガ
偽札
浴槽の中でピースサイン
眉間を撃ち抜かれ

人のふりしたアメーバ
一瞬で氷の中に閉じ込められた花
苦しむことは無かったとしても
私は彼を偲ぶだろう

波に消されるように薄まる
生きている誰も彼も

悲しいの?
分からない
分からないまま生きているよ