霞猫

シーソー

2025-05-13

最後の夢を君に見ていた 
終わりのような始まりのような 
色々な色をまとった夜の街で 
嘘にまみれた 君は 
どこにも行く場所なんかなかった 
世界が小さな金魚鉢の中で 
光のナイフで 体を貫かれ 
開いた夢の中に 
どこか遠くの草原が映り 
羊を追う雲のように
やさしい朝がまた来る 

終わりのような始まりのような 
まるで君の人生のような 
回転する車輪に両手両足を縛り付けて 
反対側に開いていくような
夢のような
愛のような 

鍵が開く音がして
扉が音を立ててきしむ
向こうにいるのは誰なの 
語りかけても 答えるものはいない 
あなたの人生が
少しひび割れたとしても 
何か 悲しむことがあるのだろうか 
悲しみの続きがあるのだろうか
終わりの次に始まり 
夢を見るように足跡を残して 
あなたが見つけてくれるように
あなたがぼくを見つけてくれるように