霞猫

トリケラトプスギャル

2025-05-13

昼過ぎのモノクローム 目が眩む
忘却の彼方に 手を触れて

君が何を知っていたとしても
僕は信じると思うよ

今すぐ君の優しげな瞳に
歌を歌い通わせる
そのままでいい
姿見の中 君が疑う
夜を辿り揺れるほど美しいなら

再開を忘れて 生き急ぐ
クレパスの奥まで落ちてゆく

深い海のような その真ん中で
ひとり耳を澄ます

ノイズのような顔の無い人ごみで
会いたいと口に出す
誰にも聞かれたくないのに

言葉は船に投げたテープみたいに
届かずに波に飲まれる
本当は探して欲しい

ほらね口数が減っていくね
やがて歌になるね

今すぐその目に映るもの信じて
良い人の虚像を振り払い
ここに来て
抱きしめるように
傷つけた身体は
思い出を一つずつ
確かめているみたい

君といた日々を
あの日に君がいた事を
忘れてしまったら
消えてしまうから
大切なものが増えたなら
もう落とさないように
ゆっくりと僕が消えてゆく
君は多分気付かない
それで良いのさ