霞猫

ゴーストアリス

2025-05-14

夜の町 汽車の時間
踊るゴースト
耳ざとい小人の群れに骨まで喰われそう

細い指先で額を撫でて
俯いた横顔は欠けた月の終わりみたい

くゆる灯 深い空の底で取り残された
全滅した私は骸 
フィルムを燃やすように踊る

符丁が合うように 燃える部屋
スノードームみたい
手紙を持ってきた白山羊が熱い熱いと泣いて

申し訳ないね
距離感ばかり測って
くしゃくしゃに丸めた新聞 笑顔の広告と目が合った

幸せを追う 時計のウサギを追いかけるように
そしてバターになる
腹を空かせた虎は ご機嫌

私は今日もバケツを持って その虎が吐くのを待っている

指と指を繋いだ
サヨナラを言う 小さな声を
黙らせるように 強く締め付け